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2015年7月31日金曜日

毎日フォーラムより、公共施設・空間でいかに「稼ぐ」か 問われる新たな発想力 横浜市議会議員 伊藤大貴議員

 6月議会で、財政について質問しましたが、参考にしたい記事がありましたので紹介します。

公共施設・空間でいかに「稼ぐ」か 問われる新たな発想力 横浜市議会議員 伊藤大貴議員

成熟社会に向かっている今、図書館や公園、河川など各種公共空間・公共施設をいかに魅力ある空間に再生していくか、これからの都市にとって大きなテーマの一つになっていきます。もちろん、各自治体、厳しい財政状況にあるので、基本的には税を投入せずに再生する、その未来を模索する時代に入っています。本稿では、その話を少ししたいと思います。

 今、議会と行政に求められているのは、意識改革です。どういう意識改革かというと、それは公共施設・公共空間を「不動産」「資産」と捉える、マインド・チェンジです。公園を資産と捉えることができれば、可能性が広がります。カフェを併設したり、電源とWiFiを整備したシェアオフィスを整備したり、色々なことが考えられます。公園一つ取ってもそうですが、公共施設・公共空間は税金で整備し、その後も税金で維持管理するというのが従来の常識でした。ここ10年は指定管理者制度が導入されたとはいえ、民間の自由度が公園の管理に反映され、かつ、それが歳入確保につながる、という状態にはなっていません。

 海外では、公共空間・公共施設を使って稼ぐ、ということが当たり前のように行われています。有名なのがニューヨークのマディソン・スクエアです。この公園は1990年代、麻薬と犯罪のはびこる大変危険な公園でしたが、一方でニューヨーク市も当時は財政難でいかんともしがたい状況でした。そこでニューヨーク市公園局は、ニューヨークで腕利きのシェフにお願いし、この公園に高級ハンバーガーショップ「シェイクシャック」の開店を許可したのです。ハンバーガーの売り上げの一部は公園の維持管理に充てられて、今や公園の維持管理費に税は投じられていないと言われています。しかもシェイクシャックは観光ガイドブックにも載るほどの有名店になったため、連日大行列。麻薬と犯罪のはびこっていた公園は、自治体には歳入確保と歳出削減をもたらし、地域には賑わいをもたらし、そして企業には新しいビジネス機会をもたらし、まさに三方よしの改革の事例になりました。

 日本でも同じことができます。行政が持つ公共空間・公共施設を従来通り、税金を使って機能を維持するだけのハコ、空間と捉えていたらチャンスは生まれませんが、「不動産」「資産」と見れば、やれることはまだまだあります。国内でも、大阪の北浜テラスの一連の開発や大阪城公園の電通を中心としたパークマネジメント、廃校跡が民設民営で運営されている、千代田区の「アーツ千代田3331」など事例が生まれつつあります。

 国の方でも地方分権一括法で都市公園法は地方自治体の裁量でカフェなどが併設できるように、規制緩和されています。問題はその規制緩和を使って新しいことにチャレンジしようという意識を自治体が持てるかどうか。新しいアイデアを地方議会が出せるかどうか。今まさにそこが問われています。

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