私が2年前まで在籍していた、食品流通業界で10年に一度のヒット商品、業界の
常識を変える商品が今年は発売されました。
それは、「東洋水産のマルちゃん正麺」年末のスーパーでは店頭からは消える
程のヒット商品です。
ものの売れない時代に年間200億のメガヒット!!
安くしなくても価値で売れる!!
売上規模としては、
2011年11月から2012年6月までで合計1億食を出荷し
売り上げは100億円を突破!!しました。
ここで業界の声を紹介します。
年間約18億食の袋麺市場に異変が起きている。ここ半世紀、「チキンラーメン」(日清食品)、「サッポロ一番」(サンヨー食品)の二大ブランドが君臨していた市場が「マルちゃん正麺」(東洋水産)の登場で大きく揺れているのだ。この9月には大手各社が巻き返しを図るべく、新商品を投入。“ナカ食”ブームや震災後の備蓄買いで市場が復活するなか、袋麺戦争“秋の陣”が幕を開ける……。
大手食品会社の製麺開発者が語った。
「私たちは“マルちゃんショック”と呼んでいるんです。あの商品登場前まで市場は長らくダウントレンド状態にありましたからね」
業界に衝撃を与えた「マルちゃん正麺」を紹介する前に袋麺市場の歴史を紐解きたい。始まりは日清食品が「チキンラーメン」を発売した1958年。続いて1966年、「サッポロ一番」(サンヨー食品)、「明星チャルメラ」(明星食品)のヒットにより一般食卓に浸透した。
ピーク時は1972年の年間37億食。だが、その前年から登場したカップ麺がその利便性や味のバリエーションの豊富さで徐々に袋麺のシェアを奪っていく。さらに草創期のヒット商品がそのまま定着したことで市場が縮小。近年は3年連続で総売り上げが下落していた――そんな無風状態の市場に革命を起こしたのが昨年11月に発売された「マルちゃん正麺」だったのだ。
食した者が皆、驚くのが生麺のような食感だ。販売元の東洋水産担当者はこう胸を張っていう。
「“正麺”という名前には、東洋水産として考える『これこそ正しい麺、理想のラーメンの完成形』という自負がこめられています」
「マルちゃん正麺」が目をひいたのは画期的な製麺方法である。これまで即席麺は、打ち上がった麺を140~150℃の油で数分揚げるフライ麺と、熱風乾燥させるノンフライ麺の二つの方法が主だった。インスタントラーメン愛好家としてテレビでも活躍中の大山即席斎氏が説明する。
「チキンラーメン、サッポロ一番といったフライ麺は、食感こそ劣るが、油で揚げたことによる香ばしさ、まったり感がある。それに対して食感を追求したノンフライ麺は油を使っていないのでヘルシーだが、麺に味がなく油分が少ないから、味の深みとふくよかさに欠ける。それを補うために調味油が付いています。つまりどちらにも一長一短があった」
だが、東洋水産は従来のフライ麺、ノンフライ麺どちらにも属さない新製法を約5年の研究期間を経て開発した。それが切り出した生麺を蒸し上げる工程を省いて、そのまま乾燥させる「生麺うまいまま製法」だ。乾燥麺でありながら、なめらかでコシのある食感が楽しめるようになった。
「実際、食べるとノンフライ麺のもちもちとした食感と、フライ麺の風味の良さを融合している麺だと感じます」(大山氏)
続いて料理研究家の相田幸二氏もこう評価する。
「ラーメンと即席ラーメンは全く別物だと考えていました。でも、マルちゃん正麺は、“ラーメン”の麺を再現しようという企業努力が見える。極端な言い方をすれば、即席麺としての一線を越えてしまった」
茹でる際には麺がほぐれやすいように麺をほぐした上で乾燥させた。形状も鍋で調理しやすいように丸形だ。子どもからお年寄りまで食べ易いように、麺の長さも従来の約半分の25~30センチでカットされている。改革は細部にわたる。
「会社を挙げて袋麺改革に取り組んでいるということをCMからも感じました。俳優の役所広司に、『麺が美味い』と連呼させる。ひたすら麺の食感を訴求したCMに自信が見て取れます」(相田氏)
2011年11月から2012年6月までで合計1億食を出荷し売り上げは100億円を突破した。8月6日には「塩味」が発売となり、年間200億円を目指すという。
プレジデント 11月14日(水)
10年に1度のヒット「マルちゃん正麺」が生まれたワケ
東洋水産の袋麺「マルちゃん正麺」が売れている。同製品の特徴は、生麺のようなコシのある食感にある。昨年11月の発売開始当初、同社は年間100億円を販売目標としていたが、200億円に上方修正。生産ラインを増設し、対応する。
加工食品で同規模を売り上げた新商品となると、2002年に発売された日清食品のカップ麺「日清具多」まで遡る。飲料を除く加工食品全体を見ても、「マルちゃん正麺」のヒットは、10年に1度あるかどうかの水準だと言えよう。
なぜ、これほどの大ヒット商品が生まれたのか。背景には東洋水産の堅実でマイペースな経営がある。
コストダウンを繰り返しながら縮小均衡する国内市場で利益水準を維持し、海外展開を拡大していく──。袋麺、カップ麺などの即席麺市場だけでなく、食品業界各社に共通する課題だ。東洋水産はこうした課題にいち早く気づき、国内の即席麺市場で日清食品に次ぐ2番手を維持しつつ、海外市場で拡大を続けてきた。現在、アメリカの即席麺市場における同社のシェアは約6割、メキシコでは約8割と圧倒的だ。しかし、さらなる海外展開には慎重であり、日清食品が進出を進めるアジア地域とは今のところ距離を置いている。
また、1990年以降、不動産投資で失敗する食品メーカーもある中、同社は投機的な活動を控えてきた。確実に稼げるところを見極め、そこで稼ぐ。その結果として生まれた潤沢なキャッシュが、新たな商品開発の原資となり、今回のヒットに繋がったと考えられる。
今期、東洋水産は増収増益を見込む。だが、広告宣伝費がかさんでいるため、「マルちゃん正麺」の利益貢献はさほど大きくない。来期以降の戦略が勝負の鍵を握る。
最大の壁は競争の激化だ。袋麺市場トップのサンヨー食品は、9月に「サッポロ一番 麺の力」を、カップ麺トップで、袋麺では2位につける日清食品は、8月末より「日清ラ王」の発売を開始。いずれも“生麺感覚”を売りにした商品だ。
この袋麺ブームは来期まで続くと予想する。だが、再来年まで続くかは怪しい。消費者に浸透した新ブランドをカップ麺に横展開するなど、東洋水産の次の一手に期待したい。
ヒット食品の背景には、時代背景や消費者のニーズや動向も反映されるので、佐倉市政、行政としても参考になるエッセンスがあると思う
ので分析してみる価値はあると考えます。
以上 年末になると、食品業界のヒット商品が気になる高木大輔から
のお知らせでした。