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2015年7月31日金曜日

アメリカの野球人口減少について~日本社会の縮図としての野球界~

◆20年後には「アメリカン・ライフの二次的なポジション」に後退?
 日本でもサッカーなどに押されて野球人気が落ちていると言われて久しいが、本場アメリカも似たような状況にあるようだ。WPの特集記事によれば、MLBファンの高齢化が進み、リトルリーグにはなかなか選手が集まらない状況が続いているという。

 米スポーツ専門局ESPNの調査によれば、MLBの視聴者の平均年齢は53歳と米3大スポーツで最も高い。NFL(アメフト)は47歳、NBA(バスケットボール)は37歳だ。MLBとNFLは高齢化が急激に進んでおり、NBAは横ばいを保っているという。また、視聴率調査大手、ニールセンによれば、現在のMLBの視聴者の50%は55歳以上(10年前は41%)で、ポストシーズン・ゲームの視聴者の6歳から17歳の若年層の占める割合は、10年前の7%から4%に落ち込んでいる。ESPNの「若者が好きなスポーツ選手トップ30」にも、初めて野球選手が一人もランクインしなかった。

 ESPNの調査を担当する心理学者は、「もし、野球界が何もしなくても、あと10年は横ばいを保つかもしれない。しかし、20年後にはアメリカン・ライフにおいて二次的なポジションに落ちるだろう」と語る。昨秋のワールドシリーズの視聴者数は過去最低(1220万人)を記録した。MLBのロブ・マンフレッド新コミッショナーは、就任以来、若者へアピールしなければ次世代のファンを失うと警鐘を鳴らし続けている(WP)。

◆深刻な子どもたちの「野球離れ」
 ファン離れは、子供たちの「野球離れ」と連動しているようだ。全米リトルリーグ機構のデータによれば、ユース世代の野球・ソフトボール人口は1990年代の300万人から、2年前には240万人に減った。また、それ以降、リトルリーグは数字の公表自体をやめてしまったという。WPは「リトルリーグのスポークスマンは、その理由の説明を拒否した」と、現在はもっと減っていることを示唆している。

 WPは、少年野球が比較的盛んだというニュージャージー州の郊外住宅地の状況を取材している。それによれば、現在は3つの町で合同リーグを作っているが、30年前の1つの町のチーム数の10分の1にまで減っているという。今年のリーグ全体のトライアウトには「1、2年生はそこそこ来たが、5、6年生はその半分、7、8年生(注:中学1、2年生)は11人しか来なかった」と記す。学年が上がるほど新規参加が少ない傾向にあるのは、特に野球はフットボールなどに比べ、早い時期に辞める子供が多いからだとWPは指摘する。

 アメリカの学校には、一般的に日本のような「部活」はなく、特別に才能や熱意がある生徒以外は、学期ごとに違うスポーツに取り組む。クラブチームなどでも同様で、夏は野球やバスケ、冬はフットボールやアイスホッケーと、競技を掛け持ちする子供が多い。しかし、WPは「近年は、子供たちは早い段階で一つの競技に絞るプレッシャーに晒されている」と指摘する。その中で、野球が最初にふるい落とされる傾向が強いのだという。スポーツ全体の競技人口も、この5年間、全米で9%落ちている。

日本の縮図の野球界←クリック(東洋経済)


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